書籍・雑誌

May 21, 2005

明日がいい日でありますように

まず、この記事はここの本来の目的である「ダイエット日記」とは関係のないことをお断りしておきます。
本来であれば、別の場所で書いている「うつ病日記 」の方に書くべき内容なのですが、文字数の制限なともあり、こちらに書くことにしました。

鷺沢萠著「明日がいい日でありますように。サギサワ@オフィスめめ」 を読み終えました。
この本は、著者の公式サイトである「Office Meimei 」で書かれていた日記のうち、2001年7月から2002年末までのものを大まかにまとめ、2003年から2004年4月に、彼女自身が自らの人生の幕を下ろす直前まで書かれたものを再編集したものです。

プロフィールにも書いていますが、私は「うつ病」患者です。
なので、彼女が「死」という選択肢を選んでしまったことは理解できてしまうのです。これは自殺を肯定しているわけではありませんよ。ただ、そういう選択をしてしまった彼女の気持ちや、それに至るまでの彼女の苦しみが理解できてしまうのです。
だから、この本を読むのは、正直に言って恐かったです。
彼女が亡くなったことは、一読者でしかなかった自分にとっても、かなり大きなショックでした。この本を読むことで、そのショックをもう一度味わってしまうのではないか…という思いもありました。
本が発売されてから、実際に読むまで時間がかかってしまったのは、そういう理由があるからです。

しかし、それは杞憂に終わりました。むしろ、この本を読んで前向きに考える事ができるようになりました。
その時、初めて「明日がいい日でありますように」という、この本のタイトルの意味が分かったような気がします。

でもね、明日がいい日であるためには、「今日」という1日を生きていかなきゃだめなんだよね。それが、どんなに辛くて、苦しくて、悲しい1日だとしても。じゃなきゃ明日が来ないんだから。
だから、やっぱ死んじゃあダメだよ、サギサワさん。

もし、この文章を読んで、この本や鷺沢萠という作家に興味を持たれた方がいらっしゃいましたら、一度でいいので、彼女の文章に触れてみてください。
日記は上記の公式サイトで読むことができますし、その他の著書も、おそらく図書館などに置いてあると思います。
そういう人が一人でもいてもらえることが、私の彼女に対する、精一杯の恩返しだと思っています。

みなさんにとって、明日がいい日でありますように。

| | Comments (3) | TrackBack (0)